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【日本史】神道と仏教の違い 日本人の宗教観は宿命?

 


いらっしゃいませ!

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miyamot.hatenablog.com

 

今回は記念すべき第一回目のテーマなのですが、世の中が年の瀬シーズンのときにスタートを切るという何とも微妙なタイミング...おかげで忘れられない一日になりそうです(笑)

いよいよ2020年も終わりが近くなってきましたが、皆さんいかがお過ごしでしょうか。年末年始ということでお寺の除夜の鐘を聴いて、神社へ初詣」なんていう方も多いのではないでしょうか。私もそれが定番コースですね。

子供の頃は無意識的にそういうものだと思っていたのですが、あるとき思うわけです。

 お寺と神社何がちがうの。どちらもありがたそうなんだから一緒でいいじゃない。

バチが当たりそうですね(笑)

でも意外とこの疑問に答えられる人って少なかったりするんじゃないですかね。

ということで、今回は神道(神社)と仏教(お寺)の違いや日本人の宗教観について解説してみようと思います。

それではいってみましょう!

 

 

1.神道と仏教の違い

まずはこの違いからいきましょう。

現在の日本の文化や生活、習慣には大きくこの2つの宗教が解け合って無意識レベルに浸透していたりします。

だから、神社とお寺の違いも分かりにくくなってくるわけですね。まずは、それぞれどんな特徴があるのか、そこから把握していきましょう。

※定義については、研究者の間でも議論があるところなのでここでは割愛して2つの違いを把握するというところを重点的に解説していきます。

1-1.神道の特徴

神道ー。なんとなく名前は聞いたことあるけど、仏教の方がなじみあるって方が多いですかね。でも、日本の宗教としてはこちらの方が古いんですよね。

仏教伝来6世紀中ごろとされていますが、3世紀邪馬台国を治めたあの人物は神道の巫女であったという説があります。そう、卑弥呼です。なんか壮大ですね(笑)

では、その特徴を以下にまとめてみましょう。

  • 神の存在:この世のすべて森羅万象に神が宿る。
  • 開祖:なし。自然発生的なものとされる。
  • 教典:なし。
  • 目的:共同体部族や氏族、血縁をまとめるため。
  • 代表的な建造物:神社神が祭られている場所

ここら辺が仏教との違いを理解する上での第一歩というところですね。もちろん、細かく見るともっと説明すべきことがありますが、とりあえずです。

少し補足をしておきますね。

現在、この時期に発生したと断定はされていませんが、大昔(それこそ卑弥呼とかそれより前)人間は雨や雷、木々の成長、川の流れなどの自然現象はそこに神や精霊が宿っているからだと考えたようです。

科学技術が全くなく、大自然に囲まれて生活していたことを考えると想像には難くないですね。それが自然発生的ということです。教祖が広めたわけでも、みんなが教典の教えに従ったわけでもありません。大自然というテキストからみんなが同じような考えに至ったわけですね。なぜそうなったかはまた別のお話です。

その後、BC4世紀ごろ農耕(稲作)が始まります。弥生時代ですね。

これが集団生活の始まりにも直結します。何といっても一人で農耕をやるには無理があったわけです。広い田んぼを一人で耕して田植えをして、稲を刈る。一人の作業量にも収穫量にも限界があるから、みんなでやるしかなかったわけですね。

となると、このみんな(集団、共同体)がバラバラにならないように繋いでおくものが必要になってくる。それが神道の神様なわけですね。

例えば、同じ雨の神様を信じている集団とか、同じ一族(血縁)で信じている神様とかです。

ここまでくると、この神の存在が自分の生活や集団の維持にとても重要なものになってきますよね。だから、人間はその神に感謝したり、祈ったりする機会と場所を設けたわけです。それが、今の祭りや神社の原型です。

1-2.仏教の特徴

では次、仏教ですね。日本人にとってはそれこそ当たり前すぎてあまり意識しないものかもしれませんね。受験生が意外と間違うのがその発祥の地ですね。中国から伝来したことや日本史で多くの宗派を習うからか中国や日本と答える生徒が多いです(笑)

発祥はインドですからね。受験生もそうでない人もしっかり覚えてね(笑)

では、仏教の特徴をまとめましょう。

  • 神の存在いるが、人間から悟りを開いた存在が最上位。
  • 開祖:ガウタマ=シッダールタブッダ
  • 教典:仏典宗派によって教典が異なる。
  • 目的:魂の救済。
  • 代表的な建造物:お寺仏が祭られている場所

神道と比較してみてどうでしょうか。仏って何よ、魂の救済って何?ってなりますかね(笑)そこの補足をしておきますね。

まずは、発祥の地インドの世界観のお話です。

インドでは古来から輪廻転生(魂が生死を繰り返す、生まれ変わり)が信じられており、その世界観を主軸に宗教も発展してきました。

生まれ変わりのパターンは6パターンあり、これを六道(人間道、畜生道、餓鬼道、修羅道地獄道、天道)といいますが、これがどれも苦しいものだとされるわけです。救いがありませんね...。天道(神様の世界)はなんだかと良さそうですが、所謂、全知全能不老不死の神ではありません。寿命もあるし、苦しみもあります。神も苦のスパイラル(輪廻転生)の循環を成す一つの存在にすぎないわけです

だから、このスパイラルから抜け出すこと(解脱)こそ魂が目指すべきことだとされます。目的である魂の救済とはこの解脱を指します。

では、魂を救済するにはどうすればよいのか。

ブッダ悟りを開くことこそ、解脱への道だと考えたようです。

そもそもなぜ苦しいのか。それは、苦しさが生まれる仕組みを知らないからだと言います。その仕組みを知れば、苦しみにわざわざ悩むことなく生きることができると。つまり、悟りを開くことは苦のスパイラルから抜け出すことと同じで、それによって平穏に生きることができるわけですね。

こうして悟りを開き、この世の苦しみのスパイラル(輪廻転生)から解放された(解脱した)者を「仏」と呼ぶわけですね。このとき、仏の立場から天道を考えると上の次元から眺めることになるのが分かりますかね。だから、仏教では神より仏が高位の存在になるわけです。

勘の鋭い方はお分かりかもしれませんね。これが、お寺に神様ではなく仏様が祭られてい理由です。

 

2.シンクレティズム

どうでしょうか。こうしてみると神道と仏教がかなり異なっているのがお分かりいただけたかと思います。そうなんです。これだけ違うんです。なおさら、この2つが混ざっているのが分からなくなりそうですかね(笑)

でも大丈夫ですよ。もう少ししたらきっとわかります!

理解するためにまずは、シンクレティズムに少しだけ触れていきましょう

2-1.シンクレティズムsyncretism)とは

また聞き覚えのない言葉が出てきたと思われちゃいそうですね(笑)大丈夫です、簡単に触れるだけです。

  •  シンクレティズム:異なったり矛盾したりする考え方や習慣、行動を混ぜ合わせること。

この現象(考え方)はいろんな場面で出てきます。もちろん宗教にも。

どうでしょうかね。この考え方を使うと神道と仏教が混ざり合っている現状がうまく説明できそうな気がしませんか。

そうです。日本の神仏習合って実は神道と仏教でシンクレティズムが起こったわけですね。他にもありますよ。例えば、ハロウィンやクリスマス、バレンタインデーはキリスト教とのシンクレティズムが起こったってことですね。

少しづつスッキリしてきましたかね(笑)

ではなぜ、このシンクレティズムは起こったのでしょうね...。

次はそこに迫りましょう。

3.八百万の神信仰(やおよろずのかみしんこう)とは

では、いよいよ核心に迫りましょう。

なぜ日本では異なる宗教が混ざり合っている現状が作られたのか

それを知るためのキーワードが八百万の神信仰です。神道よりももっと前の日本を覗いてみましょうか。

3-1.八百万の神信仰

ここでちょっと復習です。1-1.にあった神道の特徴を思い返してみましょう。

この世の森羅万象のすべてに神が宿ると考えられていましたね。実はこの考え方にはベースとなった信仰がありました。それが八百万の神信仰です。

  • 八百万の神信仰自然のものにはすべて神が宿るとする信仰。

どうでしょう。自然のものと限定されていますが、神道の考え方とかなり近しいのが分かりますね。神道が大きな役割を果たす前は、この八百万の神信仰が広く受け入れられていたとされています。それが、神道という宗教に形成されていったわけですね。

では、このことを踏まえてもう少し具体的に神道と仏教の混ざり合いを見てみましょう。

3-2.八百万の神信仰が果たした役割

繰り返しになりますが、日本では神道と仏教が解け合って浸透しています。

これは、八百万の神信仰に基づいた神道が他の宗教と馴染みやすい性質を持っているからです。

神道は非常に多くの神を認める多神教です。言い方を変えるとあらゆる神がいていいわけです。だから、神ではなく仏を最上の存在とする仏教が日本に伝来したときには、仏という姿をとった神と考えられたりもしました。

これは仏教だけではなくキリスト教もです。あらゆる神がいていいわけだからキリスト教の神ももちろんいていいし、仏教の場合と同じように神道の神と仏教の仏、キリスト教の神は姿形は違えど同一のものだと考えられる時期もありました。

細かく見ると日本において仏教もキリスト教も弾圧された時期は確かにありました。それでも神道に読み込まれた八百万の神信仰の考え方はシンクレティズムを進め、日本人の宗教観の形成に大きな影響をもたらしたといって過言じゃないでしょう。

4.日本人の宗教観まとめ

 どうでしたでしょうか。

神道と仏教の違い、何故違いが分かりにくいのか、日本人の宗教観などあなたに何かしら学びや面白さがあったら幸いです。

日本人の宗教観は海外の方から見ると変わっているそうですが、もしかするとそれは神道が始まる前からの必然だったのかもしれませんね。

クリスマスを祝い、除夜の鐘を聴き、初詣に行く。確かにごちゃまぜですが、ある意味寛容でもありますよね。

宗教による対立は世界中まだまだたくさんあります。日本人のこの宗教観がそうした争いを解消する何かしらのヒントになるといいですね。

今回はここまでです!

コメント、感想、リクエストとってもウェルカムなのでぜひぜひ遠慮なくくださいね!

読んでいただき、ありがとうございました。